プロテインに副作用はある?飲み過ぎによる肝臓、腎臓、抜け毛などの副作用を総まとめ

プロテインを飲むと副作用がある?飲み過ぎによる抜け毛、肝臓・腎臓などへの影響とは

「プロテインを飲むと副作用があるのでは…」と心配になってはいませんか?

プロテインの副作用やデメリットに関して、以下のような問題を1度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

◆プロテインにあるよくあるお悩み

  • 抜け毛・薄毛・白髪を進行させるの?
  • 腎臓病になるリスクがあるのか?
  • 腹痛や便秘になってしまうのではないか?

今回はこのような「プロテインの副作用はあるのか?」という疑問について解説していきます!

プロテインは飲み方を守れば体に悪影響を及ぼすものではないので、この記事をしっかりと読んで毎日の筋トレやダイエットに活用していきましょう。

*プロテインは医薬品ではなくサプリメントに分類されるので、副作用とは言わずデメリットや弊害と言うのが正しいです。しかし、「副作用」と表現することが多いので、この記事では「デメリット=副作用」とします。
この記事を書いた人

林ケイスケ

uFit代表トレーナー

Youtubeチャンネル登録21万越え。自重トレーニングのメニューをはじめ、筋トレやダイエットの知識について執筆。フィットネスを通じて健康に目を向けてもらえるようトレーニング動画や記事を発信しています。

有名メーカーが出すプロテインの副作用に関する見解

有名メーカーが出すプロテインの副作用に関する見解

まず、さまざまなプロテインメーカーが公式に発表している副作用に関する見解を見てみましょう。

◆江崎グリコ

タンパク質の過剰摂取で健康を損なってしまったという十分な研究結果はありません。ただし、好ましくないさまざまな代謝変化が生じたという報告があるように、極端な過剰摂取は体に影響を及ぼす可能性があります。考えられる体への影響について解説します。

【引用】タンパク質の摂りすぎは危険!?過剰摂取による影響とは

◆GronG

プロテインは「健康な人」を対象に製造されている食品です。牛乳や肉などとは異なり、1食でそれらの何倍ものタンパク質を摂取できますが、それがかえって臓器への負担となることもあります。

【引用】プロテインに副作用はあるのか?

◆VALX(山本義徳)

ただ実際、健康な人がたんぱく質を摂りすぎても、健康問題が起きる可能性は低いです。厚生労働省でも、たんぱく質の耐容上限量は特に定められていません。耐容上限量を決めるための根拠が存在しないためです。

【引用】プロテインの過剰摂取による副作用はある?飲む際の注意点を解説【山本義徳監修】

◆MyProtein(マイプロテイン)

腎臓、骨密度、肝臓および心臓血管系の健康への影響に関する主張は、すべて科学的に疑問があるか完全に反証されています。

【引用】ホエイプロテイン | コンセントレート?アイソレート?ホエイの効果、副作用や摂取量は?


プロテインの副作用について、有名なプロテインメーカーは公式サイトで見解を発表しています。

「過剰摂取」や「持病をもっている人の摂取」は進めていませんが、健康体の人がプロテインを摂取した時の副作用については否定しています。

次の章からはプロテインの副作用について、「よくある疑問」や「誤解」を詳しく解説していきます。

プロテインに副作用はあるのか?

プロテインの副作用としてよく言われる7つの項目に関して詳しく解説していきます

1.肝臓、腎臓などの内臓に負担がかかる?

1.肝臓、腎臓などの内臓に負担がかかる?

A:プロテインを飲むことによる肝臓や腎臓などの内臓への副作用は医学的に証明されていません。

厚生労働省が公表している栄養素の摂取目安量においても、タンパク質の摂取上限量が設定されていないことから、タンパク質の過剰摂取(プロテインの飲み過ぎ)が副作用を起こすことはほぼ考えられません。

◆厚生労働省

現時点ではたんぱく質の耐容上限量を設定し得る明確な根拠となる報告は十分ではない。以上より、耐容上限量は設定しない

【引用】日本人の食事摂取基準(2020 年版)

また、内臓への副作用があると言われている理由としては、過剰摂取が良くないという考えに基づいています。

タンパク質に限らずほとんどの栄養素は、必要量を超えて過剰摂取をすると人体にとって有害になります

タンパク質の過剰摂取が人体にとって有害になるという医学的証明はありませんが、肝臓などに負担をかける可能性があるため、世間では「プロテイン=肝臓に負担をかける」と言われているのです。

タンパク質の摂取目安量

厚生労働省が発表している食事摂取基準(2020年版)からタンパク質の摂取目安量を計算すると、体重あたり1g前後が摂取目安量になります。

例えば、体重が70kgの男性であれば、1日のタンパク質摂取目安量は70gです。

ただし、これは普段運動や筋トレをしない人の場合です。負荷の高い筋トレをする場合は体重あたり1.2〜2gのタンパク質を目安としましょう。

2.身長が伸びなくなる?

2.身長が伸びなくなる?

A:プロテインを飲むことで身長が止まるということは一切ありません。

そもそも、プロテインは骨の成長には必要なタンパク質です。

身長を伸ばすためには十分な量のタンパク質を摂取することが大切です。

厚生労働省が出しているタンパク質の摂取目安量は、

  • 運動をしていない大人で「体重×1g」
  • 運動をしている大人で「体重×1.5〜2g」
  • 身長が伸びる成長期の子供の場合は「体重×2g」

食事でこの量のタンパク質を補うのは難しいので、プロテインを有効活用した方が身長が伸びる可能性が高くなります

また、子供向けに売られているジュニアプロテインには、タンパク質だけではなく成長のために必要なビタミンやミネラルなどがバランスよく配合されているので、成長期の子供に飲ませるのはおすすめです

3.下痢や腹痛の原因になる?

3.下痢や腹痛の原因になる?

A:プロテインを飲むと下痢になったりお腹がゴロゴロするという人は多いです。

プロテインを飲んで下痢になるのは「乳糖不耐症」が原因の可能性が高いです。

生まれつきの体質で、牛乳などの乳製品に含まれる糖分(=乳糖)を吸収できない人は一定数います。

そのような乳糖不耐症の方がプロテインを飲むと、下痢になったりお腹がゴロゴロしたりという副作用を感じるのです。

また、プロテインの原材料が体に合っていない可能性があるので、変更してみると改善するケースもあります。

4.便秘になる?

A:プロテインによる便秘という副作用はあります。

プロテインの主成分であるタンパク質は、アミノ酸に分解された後、主に小腸で吸収されます。

動物性タンパク質を過剰摂取すると、分解/吸収しきれなかったものが腸内にいる悪玉菌のエサとなり悪玉菌が増えます。

悪玉菌はもともと腸内にいるものですが、数が増えすぎると腸内環境が乱れ、結果として便秘になる可能性はあります

対策として、ソイプロテインを飲むのがおすすめです。ソイプロテインは「植物性タンパク質」から作られているため、上記のように悪玉菌が増えていく危険性はありません。

ただし、動物性タンパク質を含むプロテイン(ホエイプロテイン)を1日1〜3回飲む程度であれば、プロテインが腸内環境を乱すという副作用はありません。

5.体脂肪が増えて太る?

5.体脂肪が増えて太る?

A:過剰摂取は体脂肪が増えて太る可能性になります。

プロテインは「高タンパク低カロリー」を代表する補助食品ですが、カロリーが0なわけではなく、1食あたりのカロリーは100kcal前後あります。

1日に何度も飲めば、その分カロリーも摂取することになるのでダイエット中の方は注意が必要です

逆に、太りたいのであればウエイトゲイナープロテインを積極的に飲むのもいいでしょう

もちろん、普段の食事できちんとした栄養バランスの良い食事をとることは欠かせませんよ。

6.抜け毛や薄毛になる?

6.抜け毛や薄毛になる?

A:プロテインを飲むことで抜け毛が増えるという副作用はありません。

プロテインの副作用で抜け毛が増えると思っている方も多いですが、全くのウソ。

このようなウソの噂が流れている理由としては、プロテインとステロイドなどの筋肉増強剤を混同している可能性が高いです。

筋肉増強剤を使うと「男性ホルモンが増える→抜け毛が増える」ことがありますが、プロテインはタンパク質を摂取するものであって抜け毛とは全く関係ありません

むしろ、タンパク質は髪の毛の主成分でもあり、プロテインを飲むことで髪の毛にとってプラスとなる栄養が補給されます。

もちろん、薄毛が改善されるというような効果が実証されているわけではありません。

7.ドーピング検査に引っかかる?

6.抜け毛や薄毛になる?

A:粗悪品によっては、ドーピングで陽性反応が出ることが稀にあります。

不純物や有害物質の混入による健康被害をはじめ、アスリートにとってはドーピングも気をつけなければいけない点です。

ドーピング検査で引っかかった場合、表示成分になかったからという言い訳は一切通用しません。

海外産の安いプロテインにはドーピングで引っかかる成分が含まれていた…という事例もあるので注意しましょう

まとめ

プロテインと副作用の関係は理解できましたか?

プロテインは用法容量を守って飲むことで肝臓や腎臓などの病気の心配はありません。

また、髪の毛を強くしたり強い体づくりには欠かせないので、男性に限らず女性や子供まで飲むことをおすすめします。

しかし、粗悪品によるドーピングの危険性や健康被害はある可能性があります。

価格だけでプロテインを選ぶのではなく、きちんとしたメーカーが作ったものかどうかをプロテイン選びの基準にしましょう