「筋トレはメンタルに良い影響を与えるらしい」と何となく聞いたことがある方は多いでしょう。
しかし、筋トレがどんな効果を与えるのか具体的に説明できる人は少ないですよね。
実は、筋トレとメンタルの関係については様々な論文が発表されていて、メンタルに良い効果があることが解明されています。
そこでこの記事では、
- 筋トレでメンタルが強化される理由
- 筋トレがメンタルに与える好影響
- なぜメンタルに良い影響があるのか
について、エビデンス(研究論文による科学的データ)を交えながら紹介していきます。
この記事を読めば筋トレとメンタルの関係について理解を深めることができますよ。
筋トレでメンタルが強化される3つの理由
筋トレでメンタルが強化される度合いには個人差がありますが、筋トレをすることによって多少なりともメンタルヘルスに効果があります。
筋トレによる具体的なメンタルへの影響をみて行く前に、まずは「筋トレでメンタルが強化される理由」を紹介していきます。
・筋トレでメンタルが強化される理由
1.セロトニンの分泌量が増える
睡眠や覚醒などの「体内時計」を司るセロトニン。セロトニンが不足すると
- 寝ても寝ても眠いなどの睡眠不足
- 朝すっきりと目覚められないのに夜も寝付けない
などの睡眠に関する弊害がおこなります。
そして、筋トレやリズム運動を行うことでセロトニンの分泌量が増えることが分かっています。
セロトニンの分泌量増えれば生活リズムが整い、メンタルが強化されるのです。
2.テストステロンの分泌量が増える
筋トレを行うと、テストステロン(いわゆる男性ホルモン)の分泌量が増えます。
そして、テストステロンが増えると
- やる気が向上する
- 集中力がアップする
- うつ症状の軽減
など、メンタル面において良い影響が数え切れないほどあります。
「筋トレをする」→「テストステロンの分泌量が増える」→「メンタルが強化される」という仕組みです。
3.見た目が改善されることで自信になる
筋トレは学校の勉強と似ていて、「やればやった分だけ結果が出る」ものです。
例えば、ベンチプレスで50kgしか上がらなかった人でも、筋トレを続ければ55kg、60kgとステップアップしていくことができます。
筋トレは正しいやり方をすれば確実に成果が出るので、成果が自信に繋がります。
また、徐々に肉体が変化していくことも自信に繋がります。自分の理想とする体型に近くので、内面から自信が滲み出るのは言わずもがな、ですね。
自分に自信が持てずに悩んでいる人は、筋トレをきっかけにメンタルを強くしましょう。
筋トレがメンタルに与える4つの良い影響
筋トレがメンタルに与える影響には様々なものがあり、例えば、仕事のパフォーマンスや精神病など様々な面で良い影響を与えます。
ここでは、筋トレがメンタルに与える4つの影響について詳しく紹介していきます。
筋トレがメンタルに与える4つの影響
1.うつ病などの精神疾患に効果がある
数年前から日本はストレス社会だと言われ始め、うつ病や不安症などメンタルが病んでしまう方が増えています。
2016年に発表された精神疾患の有病率に関する調査研究で、日本人のうつ病の有病率が5.7%(約17人に1人の割合)という結果になるなど、精神疾患はかなり身近な存在になりました。
実は、うつ病を代表とする精神疾患には筋トレが効果的。複数の研究によって筋トレがメンタルに良い影響を与えると明かされています。
たとえば、アイオルランドのリムリック大学の研究結果では「筋トレが健康な人も精神疾患にかかっている人も不安症を著しく改善した」という結果が出ています。
*参考文献:The Effects of Resistance Exercise Training on Anxiety
そして、うつ病は精神に強い不安を抱えることで発生してしまうため、不安を解消できる筋トレはうつ病の予防に効果的だと言えます。
さらに、精神疾患の人でもメンタルに良い影響が見られたという点も注目です。
この論文には、うつ病を治す決定的な証拠は書かれていませんが、うつ病の予防だけでなく症状を緩和する可能性が高いと考えていいでしょう。
また、別の研究では、マウス実験によってうつ病からの回復を促すメカニズムが解明されています。
スウェーデンで細胞運動生理学を研究しているAgudeloらによる論文によると「トレーニングによって発生する骨格筋PGC-1α1という物質がキヌレニンの代謝を調整し、うつ病の回復を助ける」とのこと。
*参考文献:Skeletal Muscle PGC-1α1 Modulates Kynurenine Metabolism and Mediates Resilience to Stress-Induced Depression
ヒトの体でも同じ作用が起きるか明確になっていませんが、2つの研究から見るに、筋トレはうつ病などの精神疾患の予防と改善に役立つと言っても過言ではないでしょう。
筋トレと不安解消の関係については、下記のブログでいくつか文献が紹介されているので読んでみるのがおすすめです。
*参考:リハビリmemo「筋トレが不安を解消するエビデンス」
2.認知機能が向上する
筋トレは精神疾患への効果だけでなく、認知症の予防効果も注目されています。
カナダのブリティッシュコロンビア大学の研究で「65〜75歳の女性に対して12ヶ月間、週1~2回のレジスタンストレーニング(筋トレ)を行わせた結果、脳の認知機能が向上した」という結果が出ました。
*参考文献:Resistance training and executive functions
認知症予防にはウォーキングやスポーツなどの有酸素運動が推奨されていますが、筋トレにも高齢者の認知機能向上に効果があることが証明されています。
3.睡眠の質が向上する
筋トレは睡眠の質を向上し、結果としてメンタルに様々な良い影響を及ぼします。
実は、運動と睡眠の関係は昔から議論されているテーマですが、筋トレに関しては2017年にかなり確度の高い論文が発表されて注目されています。
カナダのマクマスター大学での研究によると「習慣的に筋トレを行っている人とそれ以外の人では、睡眠時間は大きく変わらないが睡眠の質が高まる」と結論づけています。
*参考文献:The effect of resistance exercise on sleep: A systematic review of randomized controlled trials.
もう少し説明すると、眠りが浅い時の時間を減らし、眠りが深い時の時間を増やすということです。
もっと簡単に言いかえると「寝つきが良くなりぐっすりと眠れるようになる」ということ。
- 布団に入っても寝るまで時間がかかる
- 長時間寝ているのに頭がスッキリしない
このような方は筋トレを習慣にすると、睡眠の質が改善しますよ。
4.仕事のパフォーマンスが高まる
実は最近、ビジネスエリートが続々とトレーニングを始めているんです。
その理由の1つが、筋トレをすることで仕事のパフォーマンスが高まるから。
既に説明した通り、筋トレを習慣化することで睡眠の質が高まります。
そして、睡眠の質が高まる事で、
・集中力の向上
・疲労の回復
・記憶の定着
など仕事の質や効率を高める影響がでます。
さらに、筋トレをすることで見た目の印象も改善。
ビジネスマンにとって第一印象は仕事の出来に直結するので、仕事のパフォーマンスを高めたい人に筋トレはおすすめです。
筋トレで効果的にメンタルを鍛えるコツ
筋トレがメンタルに様々な良い影響を与えることを理解したところで、最後に筋トレで効果的にメンタルを鍛えるコツを紹介します。
1.継続する
1日だけ筋トレをやったからと言って、メンタルは強くなりません。
筋トレは継続することが何よりも重要です。
軽めの筋トレでも良いので2~3日に1回のペースで続けるようにしましょう。(参考:筋トレが続かないのは自分の意思が弱いからじゃない!筋トレを習慣化する重要なポイント)
ちなみに、運動習慣がない方にとって1回30分以上の運動はストレスになるという研究結果があります。
この研究によると、最大でもウォーミングアップを含めて20分以内のトレーニングから始めるのが良いとされています。
筋トレ初心者の方は短時間でもいいから習慣化することを大事にしてください。
筋トレを始めたいけど、どんな筋トレをしていいか分からない…。
そんな方に向けて、筋トレ初心者の方でもできる1日3分の筋トレを、Youtubeでアップしているので参考にしてください。
・腹筋を割るトレーニング
・下っ腹を凹ますトレーニング
・脚痩せスクワットトレーニング
2.目標を設定する
筋トレでメンタルを強くするなら、しっかり目標を立てることがおすすめです。
目標を立てるときは、自分が達成しやすいものにしましょう。
例えば、次のようなものなど。
・ とにかく週1回ジムにいく
・ お風呂に入る前に3分だけ筋トレする
達成しやすい目標を積み上げていくことで次第に筋トレを習慣化できますし、達成を積み上げることでメンタルも強くなりますよ。
まとめ:筋トレでメンタルを強化しよう
筋トレとメンタルの関係は、日々研究が進んでいます。
筋トレがメンタルに与える影響は「根性を強くする」といった単純なものではなく、精神病や認知症の予防など、メンタルヘルスに効果的だと分かってきています。
さらに、筋トレによって仕事のパフォーマンスも上がることが実証されています。
筋トレは、シンプルに筋肉を鍛えたいという人だけでなく、「健康を維持したい」「仕事のパフォーマンスを高めたい」という方にもおすすめです。
興味を持った方は、明日から簡単な種目で良いので筋トレを始めてみましょう!
【参考】モテる細マッチョになる筋トレ方法とは?

【参考】ジム初心者におすすめの1週間トレーニングメニューを紹介

【参考】自宅で手軽にできるプランクトレーニング
